No.1213
神奈川県鎌倉市 外構リフォーム工事
北鎌倉の古民家でお店を営まれている方からご相談を頂きました。
お店のお庭を寛げる空間へリノベーションしたいとのこと。ねりきり細工とお抹茶体験といった日本文化を味わうことができるとのことで、和が感じられるように。
お施主様の思い描かれていたスタイリッシュな和の空間をカタチにできるよう、共に細部までこだわり、新たな空間へ生まれ変わらせることができたと思っております。
目隠しフェンスには清水垣(しみずがき)を施工。清水垣は縦みす垣とも言われる竹垣とのこと。余計な要素を削ぎ落しつつ、存在感は残るようなデザインを、ということで縦ラインが楽しめよう、黒竹を使った清水垣にすることにしました。幅25㎜の八分と黒竹の中でも繊細さが感じられるものを。横桟も必要最低限の3本に絞るなど、細部にもこだわりました。
お庭の角には腰掛を。素材は耐久性の高いハードウッドです。変形地の角だったので、敷地に合わせて板をカット、半端な場所を残すことなく施工できます。
お店の掃き出し窓から続く広縁でゆったりとお過ごしいただけます。素材はウリン材です。
鎖樋から滴る雨水を凛として受け止める鉢は信楽焼きの睡蓮鉢。睡蓮鉢のシアンと瑠璃紺の織りなす色合いがとても美しく、空間に清らかさがもたらされますね。
高さが出るよう調整している水鉢台の天然木はお施主様が見つけてきた一点物。味わい深いですね。
樹木にはプランターを用いることで、フレキシブルに動かせたり、高さを出しやすくなります。
大型の植木鉢、重さなどが気になるところですが、FRPというプラスチック素材の軽いものも組み合わせました。プラスチック素材といっても耐久性に心配はなく、意匠性も高いうえに軽いため、最近、需要が高まっています。大きい鉢ほどFRP製がいいかもしれません。
とってもおしゃれな内装のお店。ここで和菓子のねりきり細工体験をして、お抹茶をいただいて。ガラス戸の先には先ほどの樹木を眺められたり、広縁へ出ることができ、空間に広がりを出せますね。
お店の灯りで夜も素敵な空間です。丁度、雨上がりの撮影だったので、広縁がしっとりと濡れた鏡面に。夏には蚊取り線香と行燈でも灯して夜長を楽しみたいものです。
リノベーション前のお庭。既存のコンクリートブロックやフェンスに囲まれた空間。土間はコンクリート。和の趣はなく、雑然とした無機質な空間でした。
リノベーション後のお庭。スタイリッシュな和の趣が感じられるようになりました。
お店の方が大切にされている”自分と、大切な人と、向き合う時間を創りたい”という想いに風知蒼の外構・お庭デザインを通じて共鳴できたことを嬉しく思っております。
打ち合わせ段階でご提示させて頂いたお庭のプランです。清水垣と植栽の関係性など、仕上がりがわかりやすいように心がけて描かせて頂きました。