外構設計を依頼されるお客様の中には、外構に使える敷地が極端に狭く悩んでおられる方もいらっしゃいます。
今回ご紹介するのも、道路から玄関までの奥行きがなく、しかも高低差の解消が必要な案件でした。
こちらは立体感の取り方を工夫した事例で、道路と玄関土間の高さを如何につなぐかという部分が設計上の最重要課題でした。
例えば、廊下など人が通る場合、肩の高さ・腰の高さで必要な幅は70センチ以上必要なのですが、踏み足の幅は40センチ程度となります。
仮に階段の幅を70センチ確保したとしても、両側が壁やフェンスだと窮屈に感じてしまうこともしばしば。
この案件では踏み足部分の登りやすさを確保しながら、ボックス状の階段をポーチ部分に突き刺すように組み合わせる形状で、
登りやすさと奥行き、動線の誘引性、意匠の面白さを実現しています。
また、階段横の手すりにもファサードの一体感を出し、左右を締めるフレームとして造作させております。
階段をあがる際に人の手がかかる部分のみに横桟を入れ、表札もフレーム上に組み合わせました。
一見可能性がないような敷地でも色々と可能性のあることがわかる事例だと思います。
お客様の「なるほど!その手があったか」という表情を見ると、設計という仕事の喜びを感じ、
自分自身もなんだかちょっぴり誇らしい気持ちになりますね。